三宅島山高村長が所信表明(東京七島新聞3月28日)
2024/04/05
豊かで持続可能な村づくり
山高亜紀子三宅村長所信表明(要旨)
思いやりが環(めぐ)る豊かな島へ
私は、先の村長選挙におきまして村政を担わせていただくことになりました。
村長に就任して、日も浅く、職責の重大さに身の引き締まる思いです。
これまで30年にわたり村行政に携わってまいりましたが、多くの村民の皆さまのご期待に応えられるよう改めて村政の諸課題に対して全力を傾注し、誠心誠意村長の職を全うしていく所存です。
皆さまのご支援・ご協力を賜りますよう心からお願いいたします。
私は「豊かで持続可能な村づくり」を運営指針に掲げ、第6次三宅村総合計画に即した村づくりを進めることが自身の使命と考えています。
また、総合計画の将来像「思いやりが環(めぐ)る豊かな島」の実現に向け、これまでの行政経験や村民との協働の経験を活かし、さまざまな分野で村民の願いを実現し、豊かで持続可能な村づくりを進めます。
島に誇りと愛着を持つ人づくり
特に少子化は重要な課題で、子育てへの支援充実が求められる。
若者や子どもたちが世代を超えた人のつながりを通して島ぐるみで育まれる中で、島に対する誇りと愛着を生涯にわたって持ち続けられるよう子育て支援や教育等の各種施策を推進する。
子育て支援として母子保健事業や出産交通費助成、子育て広場、保育所運営、ファミリーサポートセンター等を実施し、切れ目のない支援に努める。
次に、魅力ある学校づくりとして、三宅村立学校ICT整備事業による分かりやすい授業を継続し、学力の定着を図る。
島内の外部講師や団体と連携した郷土学習を実施する他、外国人英語補助教師派遣事業や「TOKYO GLOBAL GATEWAY」などを活用した英語実践学習事業を実施し、外国文化に対する関心と国際理解を高めグローバル人材の育成を推進する。
安心して健やかに暮らせる地域づくり
超高齢化社会を迎えている本村では1人暮らし高齢者等の増加に加え、家族介護者の高齢化など問題が山積している。
家庭内での支え合いが難しい状況等踏まえ、見守りなど地域ぐるみでの支え合いを充実させていく必要がある。
地域活動やコミュ二ティ活動への支援を通して地域全体での支え合いを推進し、保健・医療・介護・福祉の連携や内容の充実を図り、高齡者や障がい者に関わず、健やかに安心して暮らせる地域づくりに努める。
地域支え合いの支援は地域見守り事業や障がい者支援事業などを実施し、高齢者や障がい者などが安心して暮らせる地域づくりに努める。
地域福祉推進のため、シルバー人材センターや社会福祉協議会、あじさいの会などの福祉関連団体への支援を行い、より一層の連携を図る。
健康づくりへの支援は健康診断や各種がん検診、がんや難病の通院支援などを実施し早期発見と早期治療を推進する他、ウォーキングイベントや保健指導を通じて健康増進の啓発を図る。
中央診療所の医療体制の充実を図り、国民健康保険や介護保険、後期高齢者医療制度の安定運営に努める。
災害に強い島づくり
非常時に村民の生命・財産を守るための減災・防災の取り組みは非常に重要。
全ての村民が安心・安全に暮らすために緊急時の対応や予防体制の整備を徹底し、災害に強い島づくりを推進する。
減災・防災対策の強化として三宅島活動火山対策避難施設の適正管理などを行い防災体制の維持強化を図り、各地区での避難訓練や消防団・自治会等と連携した避難行動要支援者の対応を行い、防災力向上に努める。
消防施設や消防車両の適正管理、消防団の定期訓練等を行い、地域消防力向上に努める。
エネルギー供給体制の整備は脱炭素化に向けた三宅島に適合した再生可能エネルギーやEV車の試験導入に向け検討を進める。
地域資源を活かした産業づくり
農・水産業等の産業基盤整備と三宅島の風土や環境を活かした特産物の生産・付加価値化や流通経路の新規開拓等で、島の魅力を島外へ広く伝え、三宅島に対する認知度向上や興味喚起に始まり、観光客誘致、受入体制確保等、地域産業の活性化を促す産業づくりに努める。
農林業は認定農業者への支援を行い三宅農場を実施する他、農業用水等の維持管理を行い農業基盤の安定に努める。
水産業は研修や漁船リース等の各種支援を行い後継者の確保・育成に努め、三宅島漁業の振興を図る。
観光業は観光客誘致のための観光宣伝事業や火山観光事業を展開し、観光施設の保守管理と利便性向上に努める。
WERIDE三宅島エンデューロレースを開催し、観光協会の経営安定化とイベントへの支援をおこなう等、関係機関と連携し観光業活性化に努める。
商工業は商工会や新・地域活力増進事業への支援と新たな特産品開発等への支援を行い、マリンスコーレ21フェスティバル等の支援を実施する。
移住定住につながるきっかけづくり
生産年齢人口の確保は非常に重要な課題。
その一方、自然豊かな島での暮らしを魅力と感じ、本村への移住希望者もいる。
今後、島内外者の人的交流の機会を積極的に創出し、本村への興味喚起や関係人口の増加につなげ移住に興味のある人が島での暮らしを体感して前向きに検討できるような施策を推進し、本村の活性化を図る。
「稼ぐ地域をつくるとともに、安心して働けるようにする」ために後継者育成事業により農業・漁業・医療技術者の新規就労者へ各種支援を行い、特定有人国境離島事業を活用した雇用機会の拡充を推進する。
「地方とのつながりを島」を築き、地方への新しいひとの流れをつくる」ために島ぐらし体験事業などを実施し、移住定住体験住宅の整備を行い、地方移住の推進と関係人口の創出・拡大を図る。
「結婚・出産・子育ての希望をかなえる」ために婚活イベントを開催し、子育て支援を推進する。
「ひとが集う、安心して暮らすことができる魅力的な地域をつくる」ために地域おこし協力隊を活用しながら、地域資源を活かした個性あふれる地域の形成や安心して暮らすことができる村づくりに努める。
健全な行財政を運営する組織づくり
各種施策の実施は限られた財源を有効に活用し、行政サービス向上に努め、定期的な事業の見直しや公共施設の有効活用等を含め、効率的で効果的な事業運営を推進していく。
また、職員研修の実施や人事評価制度の運用で、職員の資質や公務能力向上に努める。
財政基盤を充実させるため、村税を主とする自主財源の確保に努め、事務事業全般を費用対効果等の観点から見直し、歳入規模に見合った歳出規模・歳出構造への転換を図る。
また、行政の透明性確保や村民に開かれた村づくりを推進するために、わかりやすく情報を提供する。
以上、私が今後4年問で目指すところの村政の運営指針と具体的施策です。
私は、今こそ「思いやりが環(めぐ)る豊かな島」基本理念とし、役場、村民、島内の各団体・事業者が協働して、未来に希望が持てる村づくりを目指していく時であると強く認識しています。
三宅島の振興は行政のみで成し得るものではなく議員・村民の皆さまとの強い連携が必要不可欠です。
皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。
令和6年3月28日東京七島新聞より引用