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TBSラジオ「土曜朝イチエンタ。堀尾正明+PLUS」
2009/02/06

ラジオ出演とその内容

TBSラジオ「堀尾正明プラス」内

「人権トゥデイ」2009年1月31日(土)AM8:20~


堀尾 人権をめぐるホットな話題をお伝えする「人権TODAY」。きょうは崎山敏也記者の担当です。おはようございます。


崎山 おはようございます。


堀尾 今日はどんな話題ですか。


崎山 伊豆諸島の三宅島。ここは2000年に噴火して、一時は島の人全部が避難していたわけなんですが、2005年に全島避難指示が解除されまして、実はあしたでちょうど4年になるんです。


堀尾 実は私、90年代に三宅島に取材でよく行きました。星もきれい、ダイビングスポット、クサヤもおいしいと。


崎山 本当にそうです。今、イルカウォッチングなんかがすごい盛んなんです。そういった産業の復興を目指して、今、三宅島のほうでは努力しているところなんですけれども、私は三宅島に実は行ってきたのではなくて、島に帰りたくても帰れない人への支援を取材してきたのです。
というのも、2005年の全島避難解除の時点で三宅村の住民というのはおよそ3,000人いることになっているんですけれども、実際にはおよそ1,000人の方がまだ島に帰っていないんです。


堀尾 3分の1がまだなぜ帰ることができないのですか。


崎山 これは聞いたことがあるかもしれませんけれども、現在も火山ガスの放出が続いていて、ガスの高い濃度の地区には現在住むことができないんです。島の別の地区に住んでいる人もいるのですが、東京にそのままいる人もいる。そういう高濃度地区でなくても住居の修繕にはお金もかかりますし、もう高齢だと今さらお金も出せないとか、また島に戻ったら医療とか大丈夫なんだろうかという不安もある。あるいは子供さんがいるとガスの健康への影響があるので、お父さんだけ島で仕事をして、家族はこちらのほうにずっといるとか、そういう理由はさまざまなんですが、中にはもう帰れないとあきらめてしまった方ももちろんいるんですけれども、帰りたくても帰れない人が大勢いるということなんです。

 

田中 でも、人が戻らないと復興といってもなかなか進んだりとかないですよね。


崎山 そうです。やはり人が戻らないとだめ。でも、そういう人たちが帰ることをあきらめてしまってはということで、「三宅島ふるさと再生ネットワーク」という団体の活動を取材してきたのです。
ここは、例えば高齢の方の自宅を訪問して、最近どうしているか様子を聞いたり、島の情報を持っていったりしているんです。このネットワークの事務局長伊藤奈穂子さんが、高校生のボランティアと一緒に都営住宅に住んでいるご夫婦を訪ねるというので、私も一緒に行ってきました。ちょっと聞いてください。

 

( 在 京 者 訪 問)

 

伊藤 こんにちは。三宅島ふるさと再生ネットワークです。

 
 はい、お待ちどうさま。はい、どうぞ。 

 

伊藤 失礼いたします。お体のぐあいはどうですか。

 

 散歩行くのに毎日車いす。

 

伊藤 おばあちゃまが一緒に。
 
 

 私が元気だからいいんだよ。

 

 ばあちゃんが悪かったら大変だよ。

 

 そうだよ。

 

伊藤 何か今お困りのこととか。

 

妻 困ったこともなければ、心配事もない。島に帰れないのが心配なだけ。

 

伊藤 そうですね。

 

妻 私たちにしたら一日も早く帰りたいよ。

 

田中 とにかく島に帰りたいという気持ちなんですね。

 

崎山 そうなんです。高濃度地区に実は住んでいた、ガスが高い濃度の地区に住んでいた方なのですけれども、一時帰宅というのは時々認められてはいるんです。そのときに帰って家の掃除をしたり、風を入れたりしているんですけれども、なかなか本格的な修繕というのができない。お金もかかります。行くだけでもかなりお金がかかる。近所に同じ島の人もいないということで、そんなに近所づき合いがあるわけでもないという状態なんです。このネットワークの伊藤さんは、最近の暮らしぶりについて聞いたり、あるいは最近会ったほかの島の人がどうしているかといった近況を伝えたり、あと高校生のボランティアの方が来ていたので、噴火前の三宅島を紹介したテレビ番組を一緒にビデオで見て、さっき堀尾さんも言われたように、本当に漁業とかバードウォッチングもすごくいいところなんです。ご主人が今車いすなんですけれども、空港におりただけで空気のきれいさが東京とは違う。本当はずっと戻りたいというふうに話していました。
この日のボランティアは、神奈川県にある向上高校の3年生の相澤春歌さんだったのですが、相澤さんと伊藤さんに聞きました。

 

(インタビュー)

 

相澤 どんなふうに生活しているとか、今どういう状況なのかとか、そういうのがよくわかりました。三宅島の話とかたくさん聞くことができて、ぜひ早く帰れるようになって、また三宅島で会えたらいいなと思います。


伊藤 回を重ねるたびに親しくなっていって、私も話していて楽しいですし、元気な島民の方のお顔を見て、元気を逆にいただいた気がして、一日も早く帰れるように応援していきたいと改めて思いました。

 

田中 ボランティアの高校生も、お二人も楽しくて、充実した雰囲気ですね。

 

崎山  この事務局長伊藤さんはすっかり顔なじみ、この高校生のアイザワさんは全く初めてだったので、あっという間に2時間近くたっていて、でも、ご夫婦はもう帰ってしまうのですかという感じで、非常に名残惜しそうな感じでした。お話を聞きました。

 

(在京者訪問)

 

妻 なんか自分の娘みたいで、来れば私たちにすればうれしくて。島の情報ね。我々よりかえって伊藤さんのほうが詳しいよ。本当。

 

夫 島民が三宅島に帰るまで本当に一生懸命応援してくれている、在京島民のことを考えてくれるということは、我々にしたらいかに力強いか、本当に。

 

堀尾 三宅島のニュースを忘れている人も多いと思うのですけれども、まだまだ我慢している人たちがたくさんいると。全島民が、全員の方が帰れるまでこういう取り組みは続けてほしいですね。

 

崎山 そうですね。このネットワークでは現状把握、訪問活動を続ける一方で、島に帰れない人へのアンケート調査を実施したりして、被災者の生の声を集めているんです。そのときもネットワークの佐藤就之会長が、三宅島の噴火災害、9年たってもまだ避難中。被災者の立場という人が多くいるということを知ってほしいと訴えていました。

 

堀尾 やはりこういう災害は生きの長い支援が必要ですよね、本当に。

 

崎山 そうですね。


堀尾 どんどん続けていってほしいと思います。東京都人権啓発センターがお送りしました。崎山記者でした。

 

 

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